2013年6月8日土曜日

【お答えします】 「学習時間と成果が比例しない」


昨日、サイトをご覧の方から学習法についての質問を頂きました。
ちょうど生徒が帰った後で時間が空いていたので、思いつくままに返信したのですが、送信後にもうちょっとちゃんと書けないかなぁと思ったので、整理して記事にしてみようかと。

頂いた質問はこんな感じでした。

【質問】
高校に入学した娘の勉強の仕方について相談させていただきます。
机に向かう時間とそれによって得られる結果が比例しません。生産性が低いことに悩んでいます。
というわけで、考えられるいくつかの可能性を並べてみました。

1. 机には向かっているが集中できていない

うちの生徒を見ていても、集中力が続く時間は、デキる子で1時間半、デキない子で30分という感じです。
私自身も夜中に教室で物理の再勉強とかしてますが、ぶっ通しでしっかり考えられるのは1時間半が限度。
休憩したり、音楽を聞いたり、突っ伏したり、何だかんだの気分転換をしてからもう一セットを始めるという感じです。

加えて、生徒の場合は学校で7時間なりの授業を受けてきた後での話。
部活帰りなど、疲労感のある生徒は、やはり集中力は長くは続きません。
また、テレビやゲーム、漫画本など、他に気になるものが視界にある場合でも、そっちの方に気が向いてしまい、頭に入ることは少なくなってしまうでしょう。

「やらないと」という気持ちだけあって机に向かう時間を長くしても、結局は成果に繋がらないことも少なくはないと思います。

2. そもそも何をしたら良いのかがわかっていない

一般的な学習塾では宿題がそれこそこなしきれない程にドーンと出ますから、それを家でやっていれば家庭学習の時間は十分にまかなえるようになっています。
塾の宿題を学校にまで持って行くという話も、アチラコチラから聞いていますしね。。。
「家ですべきことがある」という点ではいいのですが、その一方でそれに任せきりだと「すべきことを自分では見つけられない」という状態にもなりえます。

高校生の場合、高校受験まで通っていた塾を辞める人がほとんどでしょう。
(「○○中学に対応してます!」という塾は多くても、「△△高校に特化!」なんて塾はほとんど見かけないですからね。実際、コスト的に無理でしょうし。)
高校で学級担任をしていた時も、塾通いを止めた途端に「何をしたら良いのかさっぱりわからない」となった生徒がかなり多かった印象です。

学校や塾で全てお膳立てして問題演習をさせていた中学時代とは違い、高校では自分で勉強の材料を探すところから始めなくてはならないことも多いでしょう。
自分に合った問題集や参考書を本屋で選ぶという事からしても、選択肢が多すぎてなかなか大変だったりしますから、それはそれで難しいのです。

3. 基礎ができていないのに先をしようとしている

ここからは勉強法自体の話。

「ココがわかっていなければアレもコレもわからなくなる」という部分が各教科にあります。
・数学で言えば計算などの基本的な部分
・英語で言えば中学レベルの文法や語法
・古文なら動詞の活用などなど  がそれに当たります。
古文なんかは中学から高校へ入って大きく様変わりする科目の1つです。
おそらく授業のスタート時期に『動詞の活用』を練習するわけですが、ここを抑えないと助動詞の接続がわからなくなり、訳文が作れなくなり、読解問題が見事に解けなくなりますからね。。。

また、ここのブログで高校数学の文字定数の話なんかを1から書き始めた(こちらです)のも、これを意識してのことです。
だって、生徒の質問の中身を聞いていると、本当に「根本的な部分がわかっていない」んだもの。
理由は簡単。
学校では「これくらいわかるでしょ」で済ますし、本人も「これくらいはわかってるよ」と軽く流すからです。

でもその「これくらいわかってるよ」は "そこの時点での・そのレベルでのこと" でしかなくて、その半端な理解で先々まで繋げていけるかというとそうは上手くいかないんですよね。

基本の部分を「なんとなくわかってるつもり」で済ませていると、その次の段階になって知識が繋がらず「何もかもがわからない」となるのはよくある話です。
その場合は、「何が基礎になって今しようとしている部分に繋がっているか」を正確に知る必要があって、「どこの段階でつまづいているか」をきちんと分析し、そこまで舞い戻って身につけなおさなくてはならないと思います。

4. 覚え方・理解の仕方がズレている

例えば数学では、教科書に記載されている公式などの囲み部分の中でも「絶対に覚えて使えるようになければならないもの」と「暗記してはいけないもの」があったりします。
例えば、高校の2次関数のグラフのところには
 $\displaystyle y=ax^2+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}$  頂点:$\displaystyle\left(-\frac{b}{2a},\ -\frac{b^2-4ac}{4a}\right)$
なーんて式がご大層に囲み記事として載っていますが、
あんなの、平方完成の式変形ができるなら公式的な価値は0どころか、暗記で失敗するリスクを考えれば暗記効果はマイナスですからね。。。

なので、そんな覚える価値の無いものまで全て丸暗記でやろうとすると、その後は確実に失敗するのですが、多くの生徒は「囲みの内容は大切だから覚えなければならない」と信じこんでいます。
「覚えとけ」で済ませようとする雑な教員も0ではないですし。
でもそんなん丸暗記で行ったら、数学I/A/II/B/IIIだけで、参考書では1000ページを平気で超えるんですよ。

もし内容の軽重が付けられず、アレもコレもを詰め込もうとして失敗しているのであれば、"効率の良い理解の仕方"を人から習う必要があるかもしれません。

5. 能力的なもの

最後は、もう、私もどうしたらいいんだろうかと悩む部分なんですが、"物覚えの良さ"というある意味でどうしようもない要素です。

例えば中3レベルの展開や因数分解の公式、それから解の公式$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$なんかでも、しっかり覚えて使えるようになるまでに、生徒によってかなりの時間差が生じます。
生徒の中には 「20分程度の練習でパッと覚えちゃって、特にその後は練習していなくても2・3日経ってもちゃんとすぐに思い出せる」 という生徒もいれば、「1時間かけて頑張ったのに翌日にはまた0に戻っている」 という生徒も居ます。
これは教え方や説明で使った問題、練習した問題数が全く同じでも、です。
「昨日できていたことができなくなる」どころか、「30分前にできていたことすらできなくなっている」ということも実際に無くはないんです。

それが脳の機能のせいなのか、覚え方や取り組み方・頭のなかでの考え方のせいなのか、よく言われる幼児期からの頭の使いかた・思考訓練の結果なのかは正直わからないのですが、同じ事を同じように教えていても、やはり人によっての差はどうしてもあります。
当初は「最初に身に付ける段階で徹底していなかったから」とか「家できちんと復習していないから」だと思っていたのですが、最近ではそうではない、もっと別なところに原因があるように感じています。
これはもう、どう教えた所でしょうがない部分というのがあって、本人の工夫と努力でしか埋められないかなとすら思っています。

どれだけ頑張っても1日で忘れてしまうのであれば、例えば公式の練習を毎日10題は必ずやるとか、単語帳を朝夕に必ずチェックするようにするとか。
そういった手間を繰り返し掛けて、「忘れる前に思い出す」というサイクルを、他の人よりも短めに繰り返すこと以外にはないのかも知れません。

原因はひとそれぞれ だからこそちゃんと診なければわかりません


とまぁ、こんな感じで、パッと思いついた可能性をアレコレ羅列してみての返信をしました。
正直なところ、ご本人に会ってもいませんし、詳しくは話してもいないので、相談された娘さんの現状にこれらのどれかが当てはまるのかはわかりません。
もしかしたら、そこまで思ったほど深刻な状況ではないのかもしれませんし。

ただ、はっきりしているのは、「その子はその子なりに頑張っているのに、でもなかなか成果が出ない」という部分で親御さんが心配されてメールをくれたという事実です。
それを考えるのであれば、早い段階できちんと原因を観る方がいいのではないのかなと。
おそらく、本人は自分なりにもがきながら、あれこれ頑張っているんだろうと思います。
けど、でもその努力の仕方がズレている場合、成果になっている実感がなくてそうとうに苦しいと思うんですよね。

どういった方法で解決策が見いだせるかはわかりませんが、何らかの形で突破口が見つかってくれればいいなと思っています。
もちろん、、、普段の学習の様子を実際に見せていただけるのが判断材料としては一番確実なので、1・2回でも教室に足を運んでいただけるのが、私的にはとても助かるのですが(笑)
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