2013年6月12日水曜日

自分なりに"翻訳する力"がものすごく大切です


前回書いたように、基礎学力以前のものとして"学習力"というのがあるように思います。
小難しく言えば「学び取る態度」とでも言いますか、「与えられた情報を上手く消化する力」とでも言いますか、そんな感じの能力。
私自身は別に教育学の専門家でもなければ認知心理にも詳しくはないですが、でも、実際に生徒を見ていると、とにかく勉強の仕方進め方が下手です。
「そんなやり方じゃ、要点も覚えきれないだろ」と思うこともしばしば。
というわけで、「勉強の中身を濃くしたいなら、どんな風に頭をつかうべきか」ということについてもうちょっと考えてみます。

ノートに書くのはいいけど、ちゃんと意味わかってる?

例えばこんな場面はどうでしょう。中2理科の『大気の動き』の説明です。
【陸風と海風】
陸は海よりも温まりやすく、冷めやすいので、陸上と海上とで気温差が生じることで風が吹くことがある。
海岸付近で海から陸に向かってふく風を海風、陸から海にふく風を陸風という。
日中、日光によって陸上の気温が海上より暖かくなると、陸上に上昇気流ができて気圧が低くなるため、海風が吹く。
また、夜間は陸上の気温は海上よりも低くなるので、下降気流ができて気圧が高くなるため、陸風が吹く。
前回のように、まずは情報の整理をしてみます。
文章通りに整理すると、こんな感じでしょうか。
・「陸は海よりも温まりやすく、冷めやすい」
・「陸上と海上との温度差で風が吹く」
  日中  陸(温度高い:上昇気流)  陸 ← 海  海風
  夜間  陸(温度低い:下降気流)  陸 → 海  陸風
かなり単純化されました。

でも、「陸は海よりも温まりやすく、冷めやすい」と言われて、「うんうん、そうだよね」って思えました?
「温度差があると風が吹く」と言われて、納得いきましたか?

脳の機能がどうとかいう話には詳しくないですが、経験的に「納得行かないものはすぐに忘れるもの」だと思います。
理由がきちんとわかって"お話"として説明できるものは、たとえその"お話"の一部が欠けたとしても前後の関係から話の補完が可能です。

例えば  [ 2, 4, 6, ?, 10, 12 ] を魅せられて 「"?"に当てはまる数はなぁに?」 と聞かれてもすぐに 8 と答えられるでしょう?
でも、 [ 1, 4, 1, ?, 9, 2, 6 ] となると「はぁ?」となるはず。
前後の脈絡がないから補完できないんですね。
 ※ちなみに入る数字は 5  円周率の小数第1位からの数を並べました。

わかりにくいものは自分なりに翻訳する

「陸は海よりも温まりやすく、冷めやすい」とありましたが、似たような現象は中学生であれば誰でも知っています。
空っぽの鍋を火にかけると、金属の部分はすぐに熱くなりますよね?
でも、鍋に入った水は、火にかけてもしばらく時間が経たないとなかなか温まりません。
その一方で、鍋は火から離せば比較的早く冷めますが、鍋のお湯はなかなか冷めません。
つまり、金属部分と水を比べた場合「金属は温度の変化が早い、水は変化が遅い」くらいは見当がつくはずです。
この"金属"を土=陸に、水を海に変えたのが「陸は海よりも温まりやすく、冷めやすい」という話。

では「温度差があると~」の部分も。
家でも、暖かい空気は上へ昇っていきますよね。
吹き抜けの家なんかで夏場になると2階が蒸し暑いのも、冬場に1階が寒くなるのもこれのせい。
熱気球なんかはまさにそれを利用しています。

ってことに話を翻訳できると、例えばこんな図が描けるわけで、、、

この方が、ゴチャゴチャ書かれるよりよっぽど見やすいし頭に入る=記憶にも残ると思いませんか?

要するに、理科の用語で詳細に書かれたものより、それをわかりやすく身近なものに置き換えた方が理解は簡単なわけです。
「陸地は海より~」なんて大きなものよりも、鍋と水の方が身近だし実体験に即しているから、一度背景が分かってしまえば忘れにくいですよね。
こうして、少しでも自分にとってわかりやすい言葉に翻訳することが出来る力ってものすごく大切だと思います。

"自分なりの理解"を追求するということ

歴史の指導でもそうなんですが、アレコレ説明する場合、私は身の回りにありそうなモノやコトに置き換えて話をします。
・平家物語を語りついだ"琵琶法師"
  →街中でギター弾いて歌ってる人
・"惣村"や"寄り合い"や"名主"
  →町内会の集まりや町内会の役員
・田沼意次は株仲間を奨励し~
  →株式会社を作らせて事業税で税収を増やした でも、脱税目的の賄賂も多かった
・墾田永年私財法で荘園が増加し~
  →権力のあったジャイアン(有力貴族や寺社)がスネオとのび太に開墾させ私有地を増やした
・征韓論後、板垣・西郷は下野し~
  →留守番を頑張ってたのに留学帰国組にイイトコロを持っていかれていじけた
  →西郷は喧嘩(西南戦争)をふっかけ、板垣は追い出された腹いせに「選挙をしようじゃないか!」と
私の説明は本当にこんな感じ。

ものすご~くイイカゲンでしょう?
これらのたとえが実際のところどれだけ厳密に合致するかは別として、でも「それっぽい雰囲気」はわかると思うんですよね。
その「あぁこんな感じなんだ」という理解ができるかによって、単語をそのまま丸呑みで覚えるのとは大きな違いが出るのだと思います。

というわけで、今回の写真は"現代に生きる琵琶法師"こと、ストリートミュージシャン風のを選びました(笑)
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