2013年6月15日土曜日

学習意欲について、もう少し

昨日の「学習意欲の喚起のためには、直接的な報酬はオススメしない」という記事を書いてから、「そういえば、似たようなことをアレコレ例を出して実証してるプレゼンがあったなぁ」と思いだしたもので探しました。
TEDというセミナーの20分弱の講演ですが、これはぜひご覧頂きたい、、、のだけど、「コレ見てね」で終わると自分のことが書けないので、それは最後に回しまして。。。

夜中にこっそり物理の勉強してるんですが・・・

昨日、生徒が21時に帰宅した後、教室で高校の物理の問題集をアレコレめくりながら、途中で息抜きも挟みながら解いていました。
それで、気付いたら3時前になっていて慌てて帰ったんですけども。

べつに、どこかを受験するわけでもないですし、資格試験を取るわけでも今年の高3生に受験で物理を使う生徒がいるってわけでもありません。
ただ、高校当時は何がなんだかさっぱりわからなくて、高3の時には理系に在籍しつつも数学と物理は昼寝の時間と化していたんですが、それが今になってどうにも気に食わなくて。
「今なら理解できるんでないのかな?」と思ったのが、改めて物理の参考書に手を着けたきっかけです。

当時、高1レベルの三角比$\sin{\theta}, \cos{\theta}, \tan{\theta}$の概念を理解しないままで物理を習い始めまして、単振動・円運動辺りでもう半ば理解不能。
速度の分解や力の分解といった、運動方程式に繋がる力学の超基礎の部分で壊滅したため、それ以降はもう何をやってもどうにもこうにもという感じでした。
自慢じゃないけど、当時の理解って、教科書の冒頭のほんの数ページ分だったんじゃないかと。。。(及川先生・星川先生ごめんなさい)

受験や大学を経て数式の扱いに慣れ、数学を教えていくうちに数式を構成する文字の意味とかを考えられるようになり、それでようやく「今なら物理もそれなりに理解できるんじゃないか?」と思ったんですよね。
それで気が向いた時にテキストを読み進めてみているというわけです。
まぁ、まだ力学も終わっていないんですけども、でも解いているのは大学入試のそこそこ難問と呼ばれるレベルのもの。
あの頃はわけが分からなくて大っ嫌いだったのに、今となるとちょっと難しいものの方が面白いと感じるから不思議なもんです。

"夜中3時まで"の原動力は何か

先に書いたとおり、勉強しなおしたのには、別になにか切羽詰まった事情があるわけではなかったんですよね。
単に「やり直してみたかったから」というのが正直なところです。
もうちょっと加えれば、「高校当時にわからなかったのをそのままにしておくのが癪だった」というのもあります。
そして、続けられている要因は「解いていて面白いから」

どちらにしろ、特別な報酬がかかっているわけではないですよね。
大学3年の時に「センター試験の点数で負けた奴がチャキチの大盛りチャーハンを食べる」というアホな賭けはしたことありますけど、今回はそういうのも無し。
純粋に自分がしたいと思ってしている。

こういうのを"内発的動機づけ"と言います。
それに対して、昨日書いたような「達成したら報酬がもらえる」という形での意欲の喚起を"外発的動機づけ"と言います。
要は、「自分から自発的にしたいと思うか」「相手からのアプローチによって受動的にしたいと思わされるか」の違いですね。

外発的動機づけに頼る危険性

個人的な経験から見て、外発的動機づけの場合、短期的な頑張りは強力に喚起することができます。
欲しかったモノをぶら下げられて「達成したら買ってあげる」と言われりゃ、そりゃぁ馬力も出るってもんです。
でも、昨日も書きましたが、それは「報酬を手に入れるまで」のことであって、その後は意欲はリセットされてしまいます。
そこで意欲がリセットされる前に、学習内容そのものに面白さを感じ取れたなら、おそらくその後はご褒美なしでもうまくいくのでしょう。
でも、そこに面白さを感じなければ、報酬までの過程はただの作業になり、「いかにしてその作業を耐えしのぐか」だけが重要視されることになりかねません。
そして報酬を得ることだけが目的化された場合「え゛~・・・今度は報酬無いのぉ~? やる気でないわぁ↓」というのオチですよね。

そんなわけで、中高生に対して"継続的な努力"を求めるのであれば、約束なしのたまにのご褒美はいいでしょうが、それのみが目的になってしまうような大型の報酬は用意すべきではないでしょう。

内発的動機づけをするには

では、どうしたら自発的に「勉強したい!」と思わせられるか。
ってこれが一番難しいわけですが。
その子の今までの過程や性格によっても違うでしょうしね。

でも敢えて書いてみるなら、ひとつは「小さな達成感を得られること」
先にも、昨日の冒頭にも書きましたが、遠すぎる目標は達成感を得ることができません。
たとえ大学入試が控えていたとしても、その大学に入りたいと思っていたとしても、中高生に1年後・2年後に向けてというのはものすごく遠い話です。
そうではなく、もうちょっと手前の定期試験なり小テストなり、もしくは「プリント1枚を間違いなくきっちりやりきる」でもいいから、ちょっとの努力で達成でき、それを自分で確認できるような、それくらい身近な目標を立てるべきでしょう。
それをしっかりやり切って「よしできた!」と自分を認めることの積み重ねが必要な気がします。

もうひとつは、やっぱり「今していることが面白いと思えること」じゃないかな。
やっぱり、やっていてわけのわからないものは、勉強ではなく、ただの作業です。
目的もなくひたすら砂場に穴掘ってたって楽しいわけがないんですよ。
そこに水を流したりアリを誘導したりするから楽しいのであって。
同じように、意味もわからんで$\sin{\theta}, \cos{\theta}$をテキトーにこねくり回してたって面白いわけがない。
そうじゃなく、「おぉ、コレ使うとこんなこともできんだ!すっげー!」とか「へぇ、これって見方を変えるとこんな面もあるんだ!」っていう新鮮さが必要じゃないかなと。

たとえば、英語なら教科書外の読み物を絵本でもいいから読んでみるとか、古典なら文法の学習だけじゃなくて文化史的なものを一緒に眺めてみるとか、地理ならその土地の風土を写真付きで見てみたり、歴史ならその時代を題材とした物語を読んでみたり。
そういう興味って、いろいろ試してみる事でしか、合うも合わないもわからないんですよね。
今していることよりもちょっとだけ深くやってみたら、案外楽しいかもしれない。
でも、何もしなければ、面白みもわからないでただの作業のままでしか無いと思います。

そんなわけで、うちの生徒には、知りうる限りのアレコレの周辺事項をくっつけて、ほんのちょっとだけ難し目のものを放り込んでみたりして、それでちょっとでも「面白い、、、かも」くらいは思ってもらえるようにしたいなと思ってます。


というわけで、冒頭で触れたTEDのプレゼンはコチラです。  →ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」


ちょっと検索したらこんなページも見つけました。  →モティペディア

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