2012年8月27日月曜日

"公式"に振り回されすぎです ~"おうぎ形"のはなし~

なんか、、、"公式"ネタだけで何本の記事を書いてるんでしょうね。。。
それくらい生徒は無駄に公式漬けになっている印象があります。
ここではいつも言っていることですが、あれもこれも「公式としてとにかく覚えろ」ってのは指導者側の怠慢で、いかに少ない道具を上手く使っていくか、汎用性の高い知識を与えていくかが腕の見せ所だと思っていますんで。。。


さて、今回のテーマは小学生や中1生がみんな嫌がる"おうぎ形"
何がそんなに怖いんでしょうね。
ただ、円を一部分だけ切り取ったっていうだけなのに。。。

円全体の周の長さや面積の計算はほとんどの生徒が計算できるんですよ。
  周の長さ=直径×円周率  面積=半径×半径×円周率 っていうやつですね。
あ、小学生も、ここで「3.14」とは書かないでおくっていうのが私的には大切なんですが、、、まぁそれはまたにして。
ところが、この円の2つの公式が使えているのに、こと"おうぎ形"となると途端に「できない」「わからない」という生徒が増えます。

本当にものすご~く単純な話で、
 円を半分にしたら→周(おうぎ形の場合は"弧"といいますが)の長さは半分に、面積も半分に
 円を4等分にしたら→当然、弧も面積も4等分に 
「ピザを3人で切り分けたら、1人あたりの食べる量(面積)は$\frac13$になりますよー」って、そんなのあったりまえじゃないですか。


要は、円全体のうちのどれだけを切り取って持ってきたかっていう話ですよね。
弧の長さも面積も、その切り取った割合に比例します
つまり、円の$\frac15$を切り取ったのなら弧も面積も$\frac15$になるし、円の$\frac38$を切り取ったのなら弧も面積も$\frac38$になるわけです。

じゃぁ生徒は何がわかっていないからつまづくのか。
毎度のことですが、割合の概念ですよ。

210度という角度を見たときに、「全部で360度あるうちの210度だから、210度/360度で、全体の$\frac{7}{21}$を切り取ってきたんだ」という考え方を中学生の大半ができていないんですね。
なぜなら小学校での「割合:全体のうちの何倍か」という部分の指導が弱いからです。
「割合=比べる量÷元にする量っていうけど、"比べる量"ってどっち?」 というところで止まっちゃいますからね。

だから、濃度もできなければおうぎ形もできない。
確率の考え方も割合ですよね。

社会科の統計資料の読み取り問題ができないのも割合がわかっていないせい。
で、困った指導者はどうするかといえば「この式を覚えろ」といって、さも重要そうに「$弧長=2×半径×\frac{a}{360}$」なんて"公式"を書くわけです。
その $×\frac{a}{360}$ の意味をきちんと教えて定着させれば他の分野にもつなげて話ができるんでしょうに。。。

くどいようですが、べつに「おうぎ形の公式」なんて大層なものじゃァないです


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今回のおうぎ形の話は夏期集中講座のトピックの1つでした。
やはり公式頼りの頭を一度リセットするという作業はなかなか大変なようで、慣れるまでには時間がかかるようです。
こちらはそれがわかっているので、できるだけ早い段階で修正しておきたいところなんですが。 。。
アレコレ覚えさせられてるけど、どうなんだろう?と思った方は早めに792-0490もしくはsigmaseminar@gmail.com までご相談ください。
きっと暗記の労力が格段に減るはずです。

"公式"に振り回されすぎです ~"速さ"のはなし~

前回、、、って言ってもひと月以上前ですが、、、に引き続き、今日は"速さ"について考えてみます。

実はこの原稿も前回の直後に一度下書きしていたんですが、そのまま夏休みに突入して更新が止まっていました。
いやぁ、思った以上にtwitterの140文字っていうのが書きやすくて。
ブログで書くと、それなりの字数がないと格好がつかないような気がするんですよねぇ、あははは~

実際、twitterの字数制限っていうのは、ブログにだらだら書くよりも、端的にまとめる練習になります。はい。
(なお、twitterのアカウントは@sigma_seminar です。こちらもよろしくお願いします。)


それはさておき、
中学3年生の受験期でも"速さ"に関わる問題が出てくると思考が停止する生徒が少なくありません
登場する場面としては、数学では『方程式の文章題』と『関数の文章題』が中心で、苦手な子にとっては文章題自体が「もう無理!」という感じなので、速度の問題まで行き着くまでも大変だったりしますが。
理科の場合では『物体の運動とエネルギー(物理)』の分野ではもちろんのこと、『音の伝わり方(物理)』『神経の刺激の伝わり方(生物)』 『地震波の伝わり方(地学)』と、まぁどっかかんかで関わってくるものがあります。
で、その度に確認をすることになるのですが、まず、基本は「そもそも"時速"ってなにさ?」ということです。

「同じ速さで進み続けたときに、1時間でどれだけ進めるか」を表した値のことを"時速"といいます。
同じように、「1分でどれだけ進めるか」が"分速"で、「1秒でどれだけ進めるか」が"秒速"。
なので、「3時間で12km歩いた」と言われたら、「1時間ではその1/3だけ歩く」から12km÷3=4km進めると。これを時速4kmと呼んでいるわけです。
同じように「時速45kmで2時間走る」と、「1時間で45km走れる」んだから、「2時間では2倍だけ進める」わけで、45km×2=90km進むと。

だから、「時速を分速に直せ」と言われた場合、「時速36km」というのは「1時間=60分で36km進む」ので、「1分ではその$\frac{1}{60}$だけ進める」ことになって36km÷60=0.6km進めると。 コレを分速0.6kmとか分速600mとかって言います。
「じゃぁ、秒速は?」って言ったら、60秒で600mなんだから、1秒では10mですよね。

たったこれだけなんですけどね。速度の計算って。
それを[は・じ・き]とか言い始めるから、かえって本来の意味がわからなくなって混乱するのでしょう。

ただ、問題は「どれだけの時間で」という部分を、単位を気にしつつ正確に考えられるかということです。

15"分"かけて12km進んだとき、"時"速は?」と問われた場合、「15"分"」というのを"◯時間"の単位に変えなければならない。
生徒たちにとってはここがおそらく難関で、[は・じ・き]だかなんだかの公式に侵されている生徒たちは、とかく「距離÷時間、距離÷時間、距離÷時間」と念仏のように丸暗記しているから、12km÷15としたがるんですよね。
でも、アナログの時計を見たら、15分なんて$1時間の\frac14$なんだから、4倍しただけで「1時間で進む距離」がすぐに分かるでしょうに。。。

もちろん、「じゃぁ、24分は何時間? 」となった場合は「全部で60分のうちの24分なので、$\frac{24}{60}=\frac{2}{5}時間$」という計算が必要ですが、30分や15分であれば、そこまでしなくても感覚的にわかることも多いはず。
公式暗記というのが、感覚をいかに現実世界の話と乖離させてしまっているか、という例だと思います。

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この夏は中3および高校生への指導を中心に夏期集中講座を組み立てましたが、中3生の受験勉強は夏休み明けのここからが本番。
土曜講座などを利用して、あやふやな知識を徹底して鍛え直していきます。
頑張ってはみたけど、このままで大丈夫かな?と思った方は早めに792-0490もしくはsigmaseminar@gmail.com までご相談ください。
この時期からの正しい頑張り方、一緒に見つけます。

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