2011年10月18日火曜日

予想外だったこと

学力Bテストが終了し、何人かの生徒が採点された答案用紙を持って来てくれました。
生徒たちには全員に同じ事を言っているのですが、「できる問題を間違わない」コレが基本だと思っています。
答案を丁寧に見てみると、「これはこの前は解けてたでしょ」「これ、問題読み違えてるね」というのが結構あったりしますので、一概に点数が良ければヨシ、悪ければダメでは無いと思うんですよね。
苦手科目については、まずは"取るべき所"が確実に得点できていればいいのかなと。
その"取るべき所"をこれからの3ヶ月で増やしていけばいいというだけのことです。
もちろん2・3月の試験は一発勝負ですから、そんな悠長なことは言ってられませんが、今はまだ助走の途中なので「これは解けるはずの問題、解けなかったのならどこで間違えたのか」を丁寧に読み解いていくことが必要だと思います。


で、問題をザッと見せてもらったのですが、英語と社会で東日本大震災の話題が。社会はもうモロにという感じで。
もちろん、時事ネタを絡ませた出題というのは試験ではよくあることなので、世界遺産にどっかが選ばれればそこが試験でつつかれるというのは容易に予測されます。
が、今回の震災は大勢の犠牲者を出した大災害。
しかも、原発事故の影響が大きすぎて、現段階でまだ終息の気配すら見えていない状況。(ニュースでの扱いは小さくなってきていますが、それと終息とは別でしょう)
そして、被災地からは多くの人が全国各地に避難・移住をしてきているわけで。
そう考えると、タイムリーな時事ネタとは言え、その関連被害が多すぎて、試験の受験者の中にも被害者が含まれていることを考えると、全道統一の模試や学力試験など大きな試験では関連の出題を控えるじゃないかと思っていたんですよね。

自分や家族が被害を受けて避難している立場だとして、震災から半年、入試関連の問題にそれが出題されたとき、冷静に解けるんだろうかと。
繊細な子であれば、そこで手が止まっても、頭が真っ白になってもおかしくないと思うんですよね。
3年くらい経って被災者の気持ちがある程度安定してからの出題ならまだいいんだと思うんですが、半年前に家族を亡くした人も居るであろう中で、コレを試験に出すのかと思ったわけです。


そんなわけで、先日の土曜講座の理科の授業では地震の問題を扱った際に、「今年はさすがに出題しないんじゃないか?」という話を生徒にしていたんですが、ちょっと認識を変えたほうがいいのかなぁと思ったりしました。
実際どうなんでしょうね。。。自分的には、被災者の方にとってこの出題は多少なりとも動揺を誘うでしょうから、ちょっと残酷なんじゃないかと思うわけですが。。。

2011年10月11日火曜日

「そこにあること」が大事かと

シグマゼミの運営は今のところ八反田一人で行なっているため、思ったままにというか、好きなようにというか、思いついたことは即行動みたいな感じで動いています。
そのせいか、本棚の書籍類は特にそうですが、「先生、なんでこんなモノ買ってんのさ?(苦笑)」とよく言われますね。
"こんなモノ"の代表としては『旅に出たくなる地図』とか『女子中学生の小さな大発見』とかがまさにそれですが、、、いいんですよ、べつに、誰かが疲れた時に手にとってみて、ちょっとでも関心を持てたらそれで。

で、9月に購入したのが地球儀と顕微鏡でして。

生徒には「これ、使うの?」と聞かれますが、、、どうなんでしょうね?(笑)
特にうちは一斉授業ってわけでも無いですし、授業で意図的に使うってことは多分ないんじゃないかな。
ただ、書籍同様に、目に見える・手の届く場所にそれがあるのとないのとでは若干違うんじゃないかと思っていて、もしかしたら地図の代わりに地球儀を回してみる子がいるかも知れない、もしかしたら顕微鏡を覗いてみる子がいるかも知れないと思うんですよね。
教材の中でちょっとだけ不思議に思ったとき、実際に触ってみられるならもうちょっと関心が深まるかもしれないし、逆に普段から目に付く位置に置いておけば、興味をひくきっかけくらいにはなるかもしれない。
自分の仕事自体、学問へ向かうまでのきっかけづくりみたいなものと思ってますから、10人に1人でもそれで興味を持ってくれたら、買った価値はあるんじゃないかと思っています。

そんなわけで、国語辞典・英和辞典・古語辞典・地図・資料集・・・などなどいろいろ揃ってはきましたが、次に買うオオモノはなにがいいでしょう?・・・やっぱ広辞苑かなー?



<追記>
今回買った顕微鏡はオークションで定価12000円→600円(送料の方が高いとか・・・)とかでしたが、実際使ってみると、”おもちゃ”です(笑)
スライドガラスなどもセットに入っていたので多少のお得感を感じて購入しましたが、結局スライドガラスはプラスチック製で傷だらけでしたしね・・・
同じ時間帯に1500円でもっとイイモノが売られていたので、そっちにしときゃぁ良かったと今更思っていたり。
精密機械・光学製品は特に、安物とホンモノの差が顕著に出ると思い知らされました。。。

なお、写真手前に写っている三角フラスコ・試験管は、お世話になっている教材会社『研進図書』さんからご厚意でいただいたもののごく一部です。
実験器具やら薬品類を取り揃えるのはまだまだ先の事になりそうですが、フラスコ・試験管・ピペット・ビーカー・漏斗など色々頂いたので、いずれは化学の実験も出来るようにしたいものです。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
学校では見られない"おもちゃの顕微鏡"を覗いてみたい方はぜひシグマゼミへお立ち寄り下さい(笑)

2011年10月6日木曜日

個人的にショックなニュース

スティーブ・ジョブス氏が亡くなったそうです。
今日は、ニュースを見てからちょっと呆然としています。
と言っても、PC関係に詳しくない方は誰のことか分からないかもしれません。
Mac、iPhone、iPodの開発会社Apple社や『トイ・ストーリー』『モンスターズインク』などを制作したピクサー社の創業者と言えば、少し身近に感じられる方もいらっしゃるのでは?

自分はMacユーザーでもiPhoneユーザーでもないですし、iPADはおろかiPodすら触ったことがないというくらいApple社には縁がないのですが、でも、このジョブズという人の発想の豊かさやプレゼンテーションの巧さは、各紙の記事やネットに上げられた動画などを見ても、非常に刺激的で勉強になるものでした。
ここ30年を情報化社会というキーワードで振り返るとき、世界で最も大きな役割を果たした人の一人だと思います。

次のビデオは2005年6月12日に行われたスタンフォード大学の卒業式でのスピーチです。
今回は塾の運営とは全く関係のないエピソードですが、個人的にとても好きなスピーチなので紹介させて頂きます。

2011年10月1日土曜日

だから、式だけ覚えても意味が無いんだってば

高校1年生が数学Aの教科書を開いてうめいています。
「センセー、この公式、意味分かんない」と指したのは、反復試行の確率というやつで、こんなやつ。

どういう場面で使うかというと「サイコロを4回連続して振ったとき、<1>の目が4回中3回出る確率は?」というような場面です。

サイコロは6通りの目の出方がありますから、1回しか振らなかったとすると<1>が出るのは1/6の確率。逆に5/6の確率で<1以外の目>が出ます。
「<1>が4回のうち3回出る」のであれば、逆に<1以外の目>は1回だけ出ますから、問題文は「4回振ったうち、1/6の確率で起きることが3回と、5/6の確率で起きることが1回起きた」ということですね。
ここまでで

ところが、(細かいところは省きますが)確率計算の場合、4回中3回と言っても、「どの順番で起きたか」を明確に区別して計算をします。
なので<1>→<1>→<1>→<1以外>の並びと<1>→<1>→<1以外>→<1>の並びは別物として計算しなければなりません。
ってわけで、 この並び方が通り。

これらの計算結果がでして、最初に書いた公式のそれぞれの文字は、
 n:全部で4回サイコロを振るうち
 r:<1>の目は3回
 n-r:<それ以外>の目は1回出る
 p:<1>の目は1/6の確率で出て、
 q:<それ以外>は5/6の確率で出る
 ただし、出る順番を区別するため、目の並び方を で計算してかけるというわけです。

とまぁ、ここまで説明して計算もある程度自分で出来るようになったのでヨシヨシと思ったら、その生徒が一言。
「で、この公式は覚えないとダメなんですか?」

いや、そうじゃないでしょ。。。
公式だけ見て意味も使い方もわからんくてさっきまで問題解けなかったのが、順々に考えて自分で解けるようになったんならそれでいいじゃない。
今自分で解くときに<公式に数字を当てはめる>なんて作業してた?してないでしょ?なぜそこで「公式の形」にこだわる必要があるの??

東急ハンズに行くといろいろな調理器具が売ってますよね。
それこそ「りんごの芯を取る道具」やら「栗をむく道具」やら「ハンドルを回すだけで刺身のツマが作れる道具」やら。
道具を色々揃えるのは趣味も兼ねてるからいいんでしょうけど、用途も分からない、しかもそこでしか使えない公式ばっかそんなに集めてどうすんの?と思うんですよね。
「そんなの使い方次第でナイフ一本でもなんとでもなるじゃんさ」と思うわけです。

何でもかんでも定式化して「公式を覚えろ。使い方をひたすら練習しろ。」というのは教え方として一番簡単です。
そしておそらく過去にそういう習い方をしてきたから「公式覚えなくていいの?」と多くの生徒が思うんでしょう。
でも、「なんでもいいから覚えろ・慣れろ」っていうのって、"授業"っていうんでしょうかね?



以前にも小・中学生版で同様の内容を書いていました。
こちらもどうぞ。 →数学の”公式”はただの道具です



最後まで読んでいただきありがとうございます。
教科書で枠に囲まれた公式群を丸暗記することに疲れた方、792-0490もしくは sigmaseminar@gmail.com までお気軽にご相談下さい。

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