2013年10月7日月曜日

"AO入試"の考え方


高3生はそろそろ専門学校やAO入試・推薦入試の結果が出始める頃
一般入試を前提に頑張っている生徒は、周りの生徒が進路を確定し始めている様子を見て、徐々に焦り始める時期です。
うちの塾にもAOで受験をする高3生がいまして、9月辺りからは志望理由書やら提出課題やらの作成に必死になっています。
ということを書くと、「え?AOってそんなに難しいの?すんなり通るもんじゃないの?」と思われる方も少なくなさそうなので、あまり良く知られていないっぽいAO入試について書いてみようかと。

そもそも"AO入試"って

どこの大学にも「うちの大学にはこういう生徒に来てもらいたい」という人物像が少なからずあります。
それは学部・学科によっても大きく異なるわけですが、例えば
「大学の理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)を実現し、地球社会の未来を拓くパイオニアとして活躍できる素質を持った方」(北大)

「異なる文化・考え方を理解しようと努め,自己の能力を高める意欲を持ち,社会科学,人文科学,自然科学等を学ぶために必要な基本的知識を身に付けている人」(小樽商大)

「多面的な思考能力とともに論理的思考を持ち、研究論文の作成ができるだけの潜在能力のある人、問題意識を持って主体的に学修を進めることができる資質を持った人」(北星大文学部)

「大学での教育に必要な十分な基礎学力を備え、常に向上心を持ち、コミュニケーション能力や協調性およびリーダーシップを養う努力をする人」(北海学園大工学部)
これらは各大学が期待する学生像としてWebサイトに書かれていたもの。
そういったものを"アドミッションポリシー"といいますが、この、「アドミッションポリシーに沿って学校独自の選考方法で学生を募集する」というのが"AO入試"です。

AO入試では何を見られるか

AO入試では学部・学科毎にさまざまな選考方法で生徒の人物像や熱意・適性を見ようとします。
まずは志望動機書や自己アピール文などをまとめたエントリーシートの審査から始まり、面接や小論文を課すことで、その生徒の考えている将来への展望や過去の活動実績などが評価されます。
次いで、理系の学部では、大学で行う実験に参加させその参加姿勢や実験結果のレポートの出来で評価する場合があったり、文系学部では、テーマを与えてそれについてのプレゼンテーションを短時間で作成させたりディスカッションさせたりする場合もあります。
形通りの学力検査以外に「うちの大学ではこういう能力をもった学生がほしいんですが、あなたはどれくらい適応できますか?」という部分を見られるわけですね。

つまり、この入試方式の難しいところは「学校の求めている人物像に見合うだけのモノを持っているか」が厳しく評価されるということです。
例えば、25年度の北大の医学部医学科では募集定員5名で出願者6名のうち1次試験合格者が5名で2次試験を通過したのは0名、工学部でも定員5名で合格者は0名になっています。(→北大のサイト
医学科の募集要項(→こちら)によれば
第1次選考:調査書、個人評価書、自己推薦書、諸活動の記録
第2次選考:第1次選考に合格した者に対して、課題論文を課し、面接を行う
・課題論文:論理性、読解力、思考力、判断力等を問う
・面接:主に理科、特に生物について、高い理解力を有しているか問う他、意欲、目的意識、実行力、適性等を問う
ただし、センター試験の合計が810点以上、化学Ⅰ及び生物Ⅰの得点の合計が160点以上であること
とありますが、試験をしてみた結果、北大が欲しかった生徒像と実際に出願した生徒とにズレがあった、もしくは北大が求めている水準に生徒の力が達していなかったため、定員枠には無関係で不合格になったわけです。
一般入試のように「試験をして上から順番」ではないわけで、学校によってはかなり高度なレポートが要求されることもあり、学力試験で点を取るのとは違った高い能力を求められるのです。

あれ?でもAOってフリーパスなイメージが・・・

その一方で、受験偏差値的に下位で、そもそもの志望者が少なく、経営的に難しい状態の私立大学などにおいては、AO入試が「出願すればほぼフリーパス」のような状態にもなっていたりします。
例えばこんな記事(毎日新聞『私大の半数、学力試験なし 形だけの儀式に』)を見ると、「へぇ成績悪くてもAOなら入れるんだぁ」なーんて思ってしまうでしょう?
でも、「名前を書けば入る」とか「オープンキャンパスに行って模擬授業に参加しただけで合格になる」とか「面接で無難なこと言ってたら合格になった」とか言われ、テレビや新聞などでピックアップされて「大学生の質を低くする要因の1つ」として槍玉に挙げられるのは、あくまでも、受験者減少に喘いでいて、何が何でも生徒を確保したいっていう経営難な学校での話。
言い方は悪いけど、入試が選抜としての意味を成さないほど簡単なのは「そもそも志望する生徒が少ないから」であって、それはつまり「絶対に入りたいと多くの生徒が受験するほど、魅力的な学校じゃないから」ですよ。


本当に生徒を絞り、きちんと鍛えようと思ったら、先の北大の例のように、AOってのは下手をすると一般入試で抜けるよりも厳しくなるものなんです。

そんな感じで、学校によっては「出願すれば通る試験」と言われることもありますが、人気大学ではかなり高度なレポートが要求されることもあって学力試験で点を取るのとは違った別の高い能力を求められます。
試験内容から評価基準まで完全に学校独自で行う試験のため、AOで受験する際には、その学部・学科ではどんな生徒を欲していて、実際にどんな試験が行われていてどれくらいの人数が通過しているのか、そういったことを正確に把握しておくことが大切になるでしょう。
「AOで受験すればどこでも楽に通過できる」なんてのは大きな誤解ですので、気をつけてほしいところです。

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