2011年6月24日金曜日

数学の”公式”はただの道具です

生徒の数学への取り組みを見ていると、どうにも「公式と計算方法だけ覚えればいいんでしょ?」的な発想が目につきます。
学校においても塾においても、自分の数学の指導はその考えを壊すところからスタートします。

簡単なところでは例えば「速度」や「割合」の指導がそうなのですが、生徒は言い方悪いですが馬鹿正直に「速度=距離÷時間」としっかり覚えてきます。
ところが、中学1年生あたりに「30秒で200mを走る速さは分速何m?」と聞くととたんに詰まるんですね。
「200÷30?割り切れないよ?」というのが多くの答え。
少し気の利いた子になると「割り切れないから分数で表してみよう」とか「30秒は1/2分の事だから、200mを1/2分で割って・・・」と行けますが、それでも理解としてはいまいち。
なぜかというと”分速”というものが何かよくわかっていない答え方だからです。

分速とは「1分間にどれだけ移動できるか」を表したものです。
ってことは、さっきの問題は「30秒で200m走れるなら、1分走り続けたらどれだけ走れる?」という質問でしかないわけですよね。
ところが「30秒で200mなら、1分はその2倍だから400m走れる。分速400m」と答えられる生徒はほとんど見たことがありません。
それくらい小学校や塾で画一的に「速度=距離÷時間」と教え込まれてくるわけです。

「割合」にしても同じで、「割合=比べる数÷もとにする数」と教えられているようです。
でも、「ある学校では生徒全体の60%が塾に通っており、その人数は120人だった。この学校の生徒数は?」と問題を出すと、生徒からすると「"比べる数"ってどれのこと?」ということになって立式ができないわけです。
これにしても「"割合"ってのは"倍"と全く同じ。生徒全体の60%=0.6倍が120人になるってだけ。」といえば、大抵はすぐに解決するんですが。


何かにつけこんな感じで、とかく学校や塾で大切とされる"公式"に振り回されている生徒が非常に多いように感じます。
公式ってのはあくまでも道具でしか無くて、道具は「どう使うか」という使い方が大切です。
出刃包丁・柳刃包丁・菜切り包丁・肉切り包丁・・・と10本以上も包丁だけ集めていたところで「私、ゆで卵しか作りません」ではしょうもないわけで。
本当のプロは、少ない道具でもそれを上手に使い倒すことで驚くほどいろいろなことをしてみせるもんです。
その辺りのイメージ作りを手伝うことができるというのが、正解しか書いていない問題集や参考書のまとめと我々生身の人間との違いではないかと思っています。


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最後まで読んでいただきありがとうございます。
「なんだかいっぱい覚えることあるなぁ。。。」と教わり方に疑問に感じてる方はぜひシグマゼミへ。
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