生徒が定期試験を持ってきてくれたので見てみたのですが、その中の数問がどうにも気に食わないのです。
<問題>
A駅から90km離れたC駅に向かって11時に出発した電車が、B駅で30分間停車し、C駅には12時半に到着した。A駅からC駅まで移動したときの「平均の速さ」を求めよ
数字は適当ですが、大雑把にこんな感じ。(コピー取ってないもので)
「平均の速さ」というのは「ある区間を同じ速さで移動し続けたと考えた場合の速さ」のことです。
例えば算数の問題としては「60kmを2時間で移動したら→1時間では30km進める速さ→時速30km」と計算するわけですが、現実的にはその60kmの移動中、信号で停まっていることもあれば、高速道路で80kmで走った区間もあるかもしれない。
そういった移動途中の速度の変化を一切無視して「60kmを”最初から最後まで同じ速さで”2時間かけて移動したら」と考えるのが「平均の速さ」という考え方です。
つまりこの「平均の速さ」という言葉は「途中で停止したとしても」というのが言外に含まれていると考えるのが普通です。
で、この問題、中3理科の問題ですが、
模範解答によると<正解は停止した30分を除いて移動時間は1時間と計算する>んだとか。
ほぉ。
では、静止している状態は「運動」とは認めないということなんでしょうかね?
たしか、物理の世界では「静止状態」も速度0での運動と解釈したと思うのですが。
横軸に時間、縦軸に移動距離を書いたグラフを作った場合、普通は2点間を結ぶとその平均の速さが直線の傾きで表されるわけですが、そこに水平部分がある場合はそこを省くなんてことをわざわざするんでしょうかね?
自分も、定期試験だけではなく私立中学・高校の入試問題などを作問する側に居たからより一層思うのですが、試験の問題というのは絶対に解答者に複数の解釈を与えてはいけないのです。
法律の文章もやたらクドクド難解な表現がされていますが、アレも好き勝手に複数の解釈を持たれないようにするためですよね。
「見方によっては~」とかいう時点で、それは試験問題ではなくただのクイズです。
出題者は「難しくしてやろう」とヒネったつもりなのかもしれませんが、「難しい」と「意地が悪い」と「出題者自身が何が大切なのかすら分かっていない」は完全に別物です。
先日も書いたので繰り返しになりますが、定期試験で生徒の思考をもてあそぶなと。
さらに酷かったのは社会科で、<時事問題>と称して、
「担任の先生のフルネームを書け」 やら 「修学旅行のテーマはなんだったか」 やらが出題されてましたが。
あ、これ、中3の定期試験です。
普段の授業がどれだけ素晴らしかろうと、人格的にどうであろうと知ったこっちゃ無く、少なくとも定期試験の出題者としては失格だと思います。
先日も書きましたが、
どうか保護者の皆さん、点数の1点や2点で騒ぐのではなく、出題されている問題、そしてそれにどう答えた結果の点数なのかの方こそよく見てあげてください。
たとえ90点だったとしても、残りの10点が"どーでもいい出題"だった可能性だってなくはないんです。
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最期まで読んでいただきありがとうございます。
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4 時間前
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