2011年6月19日日曜日

「裁量問題対策」という煽り文句

この記事はしばらく前に書いたものなのですが、『裁量問題』というキーワードでこちらの記事に辿り着いた方が多かったようです。
やはり、裁量問題の情報を欲している方は多いようで。。。
2013年度入試で、入試もかなり様変わりをしていますが、せっかくですので、こちらの記事もあわせてどうぞ。
→『個人面談では、こんな話をしています その2


そろそろ新聞折込チラシに大手学習塾の夏期講習の案内が目立つようになってきました。
もちろん学習塾の売り込みは「学校の成績を上げること」「高校受験で合格させること」ですが、ここ数年の目立つ売り文句は
「公立高校入試・"裁量試験対策"もバッチリ!」
というやつです。

裁量問題 実施の背景と実際

数年前まで、北海道の公立高校の入試問題は、全国的に見て最も簡単なレベルと言われていました。
例えば道内トップと言われる札幌南高では、合格者の平均点が300点中270点(各科目60点中54点を取っている計算)にもなり、「普段どれだけ優秀な生徒でも、当日の1問のケアレスミスで合否が分かれる」という状態でした。
そこで3年前に導入されたのが、学力差での点数差をつけるための「国数英の裁量問題選択」で、裁量問題は国数英の3科目それぞれに15~20点分が大問一つを置き換える形で配置されます。

実際に出題された裁量問題を見てみると、3教科とも確かに一筋縄では行かない出題がされています。
それこそ、学校で評定5を取っているAランク・Bランクの層の生徒でさえ、問題によっては全く手がつけられず、いろいろな資料を見ると全道の正答率が0.0%なんてのもあったりします。
実際、以前教えていた塾生の様子を見ていると、札幌東高に合格する学力の生徒でも、裁量問題部分は20点中5点しか取れていないなんて生徒もざらだったんです。
つまりそれは「上位層の誰もが解けてしまって点数差がつかなかった」過去の入試からは変わったものの、「上位層ですら誰もが解けない問題が出題されて、やっぱり点数差はあまりついていない」ということを意味しています。

この裁量問題が実際に運用されて3年、道内トップの札幌南高の合格者平均点は5教科300点満点で250点程度、合格の最低ラインはBランクの230点というところ。
230点というこのラインは、裁量問題の国数英で40~45点ずつ、理科・社会で50~60点ずつという感じでしょうか。
南高でそのラインですから、それより受験者の学力層が一段下がる他校に関しては、「裁量問題にはほとんど手をつけられなくても、他で満点を取れれば合格できる」ということを意味しています。

受験生がすべき準備は?

もちろん裁量問題に対応できるだけの知識・思考力をしっかり身につけるとことは、のちのちの学習にも必ず良い影響を及ぼします。
ですが、それはなにかピンポイントの「裁量問題対策」で身につくものではなく、十分な基礎学力の土台の上に出来上がるもののはずです。
であれば、裁量問題対策の前に、「それ以外の問題を完璧にきっちり解ききること」が優先されるべきですね。

大半の塾の宣伝は「お子さん、そのままで将来は大丈夫ですか?」という不安を煽ることからスタートします。
裁量問題についても、大手はしきりに「対策練らなくて、大丈夫ですか?」と言っているわけですが、その対策が必要なのは札幌南・北高などのトップ校を目指す生徒くらいなもの。
しかもそれは問題を解く段階でも最後の最後に回すべき部分です。
それ以外の大半の生徒にとっては、裁量問題対策自体が「不要」とまではいわなくても、それでも優先順位は非常に低かったりもするわけです。
であれば、生徒の学力を心配するのであれば、まずは普通の問題をきっちり解ききれる基礎力の強化に充てるべきだし、それをきちんと謳うべきではではないかと思うのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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よろしくお願いいたします。
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