2011年5月2日月曜日

そんなに急いで、、、

複数の学校で勤務した上で、塾で高校生を見ているのでより一層思うことなんですが、
数学の授業、そんなにハイペースに進めてどうしようっていうんですかね。。。

前にも書きましたが、数学にはどうしても教科書以上に解説を加えなければならないところがいくつかあります。
高校1年生の初めの方で言うと『絶対値』や無理数の計算の中で現れる『対称式』がそれに当たります。
そこは式変形に至る考え方がのちのちまで重要になる箇所なので、式だけ見たり公式だけ覚えても何の役にも立たない、時間をかけてでも一度きちんと理解をする必要があるところです。
なので、自分が授業をする際にはそれぞれの説明に1時間はどうしても費やしますし、課外講習なんかを組む場合にもまずはここを抑えようとします。

が、その重要ポイントを15分くらいで通過するような授業もあるようで。。。


塾に勤めるようになって市内近郊のいろいろな学校(札幌南・北をはじめ、北嶺・大谷・光星・立命・日大などなど)の生徒から授業の様子を聞くわけですが、「ジックリ丁寧に解説を加える」というタイプの授業を受けているという話はまず聞いたことがありません。
とにかく早く先へ行き、テスト前になってからひたすら演習を繰り返すという授業が多いようです。
ある学校では定期試験前にその模擬テストを3・4回繰り返して手の内を明かしてから試験をするところも。
定期試験で点を取らなければならない生徒にとっては、短期的にはそれでもいいのかもしれませんが、でも、ひとつひとつをきちんと理解せずに進んで、試験前に形だけ問題を解けるようになって、その後はどうするんでしょう?
「解き方は知ってる」というだけでは、汎用性はありませんから、ちょっと問題の形を変えただけで手に負えなくなるのは眼に見えています。
結局、付け焼刃で覚えたものはその後あっという間に記憶に残ることは無く消えていってしまい、模擬試験なんかではなんの役にも立たないことの方が多いんですよね。


私立の中学なんかは特に顕著で、ほとんどの私立中が公立中の3年分を2年生までで終了し、高1内容を中3から指導し始めます。
ところが、たとえ中学入試をくぐってきたとは言えども、どこの私立中もそもそもの入試倍率が低い状況ですから、そんなにそんなに学習力の高い生徒ばかりが集まるわけではありません。
むしろその1.5倍速の授業に対応してきちんとついて行ける生徒というのは一握りしかいないと言っても間違いではありません。

本来、1.5倍速で授業をするメリットは「高2までで高3分を終了し最後の1年を大学入試演習に」というところにあるのですが、結局はハイペースで飛ばしてきた内容の復習と穴埋めでそのメリットは食いつぶされるわけです。
もちろん、出来る生徒も中には居ます。ですが、「学年の上位1割だけに照準を当てる学校教育ってどうなのさ?」という話です。

定期試験前の問題演習の時間を<生徒のため>と思っている先生が多いようですが、本当に生徒のためを思うなら、もうちょっと時間配分を考えて、どの生徒もつまづくところくらいはきちんと見抜いてしっかりと指導してもらいたいもんです。


というわけで。
「うちの学校、進むの早すぎてもう無理!」と思っている方はお早めにご相談ください。
生徒数の少ない今なら、なんぼでも個別に見られ、穴埋めが可能です。

次の投稿 前の投稿 ホーム

0 コメント :

コメントを投稿

記事の検索ができます