2013年9月3日火曜日

何にこだわって勉強をするか


昨晩の授業後、あるお母さんと1時間ほど話したんですが、そこで思ったのは、やっぱり、自分は、もしくはうちの塾は、点数とか順位とかに対するこだわりが薄いなぁと。
もちろん、点数を追求すること自体は決して悪いことではないんだけど、でも、点数とることを目的化して試験前だからって張り切ってガツガツやる/やらせるのって、どうにも好きじゃないんですよねぇ。。。

満点はスゴイとは思う。けど、

その子はおそらくうちの塾を一番使い倒していて、ものすごい量の問題集をこなし、その結果、成績はもちろんいいんですが、でもどうも試験になるとどうもパッとしない時がある。
道コンなんかでも、読み違えやら何やらと言ったくっだらないミスが減らず、SSで言えばミスがなければ70に届くのに、という感じ。
で、その子としてはそのしょうもないミスで点を逃すことが非常に悔しいわけで、それを潰すべく、定期試験では一番を取るべく、尋常じゃない量の演習をしているわけです。
ただお母さんにも伝えましたが、その姿は、私から見たら熱心というよりは「とにかく数をこなさないと安心できない」って感じ。
生徒本人には、冗談半分・皮肉半分で「中毒か?」っていいましたけど。

でもさ、例えば、1問2点で50問っていう試験があったとして、100点をとった生徒と1問間違って98点だった生徒が居たときに、その2人がしたことの価値にどれだけの差があるかっていう話。
おそらく2人とも、その点を取るまでにはかなりの量の練習をしてきて理解も十分にあるはず。
でも、1問くらいの間違えや取り違えなんて、そりゃ人間だもの、あるでしょうって思うんですよね。
これが「さんざんやった挙句に70点だった」っていうなら、それはどっかかんかの部分に致命的な理解不足や覚え違いがあるんでしょう。
それは気づいた時点で修正して次につなげないといけない。
でも、たった1問のミスをどれだけ追求するかって言ったら、俺は「残念だったねー。ま、これだけ取れてるし、いいんじゃないの?」で終わるなぁ。

もちろん、満点を取ることはスゴイことだと思う。
たった1問のミスで2位になったのなら、それは悔しいんだろうというのもわかる。
でもだからっていって「満点だから・1位だからスゴイ」、「ミスをしたから・2位だから価値がない」って言ったらそれは違うでしょう?
してきた努力や身につけた内容、考えるためにアタマを動かしてきた事自体に意味があるんであって、結果はその次の話だと思うんですよね。
そうじゃないと、常に評価や順位"だけ"に追われ続けることになる。
そういう勉強って、そもそも、まったく楽しくないと思うんだよなぁ。。。

勉強の目的はなにか

中高生が勉強することの"目的"。
"目標"ではなくて。

もちろん、上位の成績を取れるのは教科についての理解がある証だから、まぁそれに越したことはない。
でも、別にそれって、満点じゃなくても1位じゃなくても、ある水準を満たしているのなら十分じゃないかと思うんですよね。

だってさ、今の自分の仕事なんかがそうですけど、世の中のほとんどのものって、誰も点数化してくれるわけじゃないでしょう?
別に『全国統一個人塾指導力コンクール』があるわけでもないし、知識量だってその辺の大学生に敵わない部分もあるし、英検も数検も持ってません、てか受けたこともないですしね。
英検?準2級くらいは取れるんですかね?(笑) 試してみる気なんて1オングストロームも無いけど。(※1オングストローム=$10^{-10}m$)

つまり、うちの塾が、、、というか、私が?他の塾より何かが優れているかって言ったら、、、なに?形になるようなものなんて、なんかあんの?ってくらいで。
取り立てて安いわけでもなく、魔法のように成績が上がる特別な教材を作っているわけでもない。
進学実績だって、過去2年間、大して積極的に私から負荷かけて目一杯指導した結果ってわけでもないですしねぇ。
2月にもなったら、特にアレコレ言うまでもなく、連中、勝手にやってましたし。
学習塾としての指導力なんて、おそらく他の塾の方がしっかりしてるんじゃないですかね?
そんな感じで、点数化したわけでも競争してるわけでもない。
けど、それでも多分、他に負けないナニカがあるから、そのナニカを感じてもらってるから、わざわざ車で送り迎えしてもらってまで、満席になるだけこんな北区の端っこの辺境まで人が来てくれてるわけで。
世の中の大半って、そういうもんじゃないです?

そもそも、負けない自負があるから、こうして安定した給料を捨てて自分で始めたわけだし。
根拠?ないですよ、そんなもん(笑)
それなりの授業をし、それなりに生徒からは支持されてきてるけど、でも、誰も点数化なんてしてくれないし、どんだけの技術や支持があったって、どれだけ人より仕事してたって、給料にはま~ったく反映されませんでしたし(笑)
じゃぁ、その自負や誇りになってる部分って、何さ?って。
それって、誰かに測ってもらうものじゃなくて、自分で決めるものでしょう?

そう考えると、たかが学年に150人かそこらの学校の中で、定期試験の1点や2点、順位の上下にこだわるのって、すっごくクダラナイことだと思うんですよね。
だから、自分もそうだし生徒に対してもそうだけど、そこを"目的化"してしまうのは、絶対に嫌なんですよ。
定期試験の過去問集めも、日曜の『定期試験対策授業』もしない理由はそこ。
だって、そんなことしてたって、させてたって、つまんないんだもん。
誰よりも早く、私自身が飽きる。
だから、しません。
コレはもう開塾の一番最初にコンセプトとして明記してるし
なにせ、開業時に銀行に出した『融資のお願い』の資料にも、これに近い内容を書いてますからね(笑)

もちろん、営業さんなんかだと、厳しい競争の中で勝ち続けて行かないと、仕事の存続も危うくなるのかもしれない。
そこにはノルマを達成するため、点数を取るための営業努力が必要なんでしょう。(呼んでもいないのに手当たり次第に営業の電話はかけてくるのは努力とは言わない!)
でも学生がすべき"勉強"ってのは、自分の理解や視野の幅を拡げていくことが目的であって、それは勝った負けたが全てではないと思うんだよなぁ。
誰かに点数で勝っていたとしても、もしそれがただの本や何かの丸呑みで、意味さえよくわからないままに覚えただけで、汎用性が全くなく、「学校では通用しても他では通用しない、社会に出ても何の役にも立たない」みたいなものの結果だとしたら、私はそこには価値は感じないなぁ。
それだったら、別に学校の試験なんてそこそこの成績だったとしても、自分であれこれ調べたり研究したりして興味の幅を拡げてる生徒の方が自分は面白いと思うし、将来的にも伸びると思う。
つまり、私にとって「勉強すること」ってのは、人から試されてどうこうする類のもんではなく「きちんと身につき、応用出来る状態にさえすれば、それでいいもの」「足りてるかどうかは自分で判断すべきもの」なんですよね。
「ここまでやれば今はいいや」と思えばそこで一旦切るし、「もうちょっと進めたいな」と思えば朝になるまで追求するし。

もちろん、それを「どれだけ達成してるか」を計るためには試験が必要だけど、そんなものは中学高校レベルの話をするのであれば、問題集なんてものが存在するんだからそれをしていればセルフチェックできる。
問題集でそこそこの問題を解けてたならそれは理解している証だし、解けなくなった・解説すら意味不明ならそれは理解が不足しているということ。
問題集やワークなんて、学校特有のものですからね。
社会に出たら、資格試験以外に問題集なんてほとんどないでしょう?

確かに学校に居る以上は「教えたことが身についているか」を確かめるための試験は避けられないのは事実です。
けれど、身に付けるべきものが身に付いているなら、たかが符号のミスや疑問文の文末が「?」じゃないからという理由で1点・2点引かれたところで、「で?別にわかってるならいいんじゃないの?」って思うわけです。
多少のミスはあったとしても、95%もできてりゃ理解なんて十分じゃないですか。

誰かに勝って、1番になって、で、その後は?

もちろん、学校一、市内一、全道一、全国一って延々と順位にこだわって頑張り続けるのも悪くはないんでしょうけどね。
でもそれって勉強を続ける動機としては、ものすごく脆い気がするんですよね。
正直、心配なんですよね。
点を取ることに"しか"こだわりがない人が、そこで"しか"誇れない人が、もしそれを取れなくなったら、挫折をしたら、そして、そんな指標が存在しないところへ行ったらどうするんだろうかって。
大学に行って点数なんていう指標のない学問の世界に放り込まれたら、問題集なんてもの自体が存在しない完成度を自分で追求しないといけない研究の世界に放り込まれたら、、、目標を何も持てなくなりはしませんかね?
もしかしたら、大学入学後に目標を失ってすぐに辞めてしまうのって、そういう勉強を競争でしか考えなかった人たちなのかなぁと。
「大学に入ること」が目的化して、学問については置き去りって、まぁ状況としてはよくある感じですし。


誰かと比べて勝ったの負けたの言わなくたって、自分がしている事、それ自体にもうちょっと誇りを持てないもんかなぁと。
持てないとしたら、それは追求の仕方がどこか間違ってんじゃないのかなぁなんて思ってます。
だから、点数だけではなく、それ以上に価値のあるモノを追っかけさせることが出来ないかなぁと、そんなことを考えています。


あ、、、大してやってもいないし、出来てもいないのに、「俺スゲー」とかいうのはもちろん違います。
その辺はきっちり「何甘いこと言ってんの?そんな程度で通用するわけねーだろ」とか容赦なく突っ込みますので。はい。
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