2013年9月15日日曜日

塾の売り物はなにか?


ブログでもTwitterでもそうですが、おそらく一般的な客商売のイメージから比べると、私の発信している言葉は、内容も表現もかなりキツイと思うんですよね。
少なくとも『千客万来』という感じではないし、実際、お客さんである生徒さんにも「やる気もなくだらだら来るくらいなら、キッパリ辞めれよ」と平気でいってますし。
そうなると、どうも、フツーの塾とは売っているもの自体が違うんじゃないかという気がしてきます。

実はいろいろな売り物があるようで

学習塾の売り物として一番わかりやすいのは「教科に関する知識」でしょうか。
まぁ、勉強を教える場ですから、学校進度に合わせた授業を行う塾では学校の授業では不十分だった説明を聞けるとか十分な演習が出来るとか、個別やクラス分けのある塾なんかだとより実力にあった丁寧な説明が受けられるとか。
教材選びや解説の仕方も塾や講師それぞれですから、それを基準に選んでいただく、確かにそうだと思います。
もちろん私の場合だって、それなりに授業に自信があったからこうして1人で始めたわけですし、この2年間にそれなりに実績が上がっているのも教科指導の内容がズレてはいないからなのでしょう。
指導力で負ける気はしていませんが、でも、コレが全てではありませんよね。

次に考えられるのは「学習時間・学習手段の確保」でしょうか。
例えば中学生が一斉指導の塾に週に3回2時間ずつ通い、その回毎に大量に宿題を与えられれば家でも相当の時間を宿題の消化に費やすことになりますからね。
「塾の宿題を学校に持ってきてやってる」なんて話を聞くと笑えねぇなと思うんですが、まぁでも実際そのおかげで学習時間は強制的に確保されます。
週に学校外で20時間も勉強していれば、そりゃぁ成績だってしていない子から比べたら維持できるでしょう。
一方では、弊害として「課題を与えられることに慣れすぎて塾を辞めたら自分では勉強できなくなる」という側面も大いにあるんですが、まぁそこは置いておくとして。
学習習慣をきちんと付けさせるためということで、小学生からくもんや学研教室などを始める子も少なくないですね。

それから、「情報を持っていること」でしょうかね。
進路なんかについては、本来、学校の先生の方がよっぽど多くの情報を持っているはずなんですが、どこの学校の話を聞いてもどういうわけかほとんど説明も公開もされないようですから。
受験の仕組みがどうとか、どこの学校でどんなことしてるだとか、どの時期にはどんなことをしていれば受験に間に合わせられるかだとか、今の実力がこうだからこれからコレをしなきゃならないだとか、そういったもろもろもの情報を学校が出してくれないのなら、まぁ後は塾で貰ってくるしかないですもんね。
そう考えると、正確な情報を的確なタイミングで提供できることというのも、塾の売りの1つになります。

どうやっても大手には敵わないこと

でも、上の3つしか売りがないとすれば、どう考えてもうちみたいな小規模個人塾は大手の塾チェーンには敵わないのです。

教材を作るにも1人ではどうにも手がまわりきらないし、教材資産は大手の方がアレコレ持っている。
私みたいな零細には頼まない限り教材見本の1冊すら届きませんが、大手にはダンボール箱何箱分っていう、それこそ山になるだけの採用見本がそのまま古紙回収に回るものも少なくないほど例年届きますし(苦笑)
授業内容にしても、中学程度のものに関しては学生のバイトには負けはしないでしょうけど、でも、大学受験レベルとなると専門外のものでは人材を揃えている大手には太刀打ち出来ない。
それを一部解消するために、@willという予備校の映像教材は入れていますが、それにしたって指導ツールの1つでしかないわけですから、それだけで売り出せるというものではありません。

指導時間にしてもそう。
うちは「いつ来ても指導します」とは言っていますが、最近はどこの塾にだって自習室くらいはあるでしょう?
静かな勉強場所がほしいのなら図書館だって使える。
教室を長時間使えるということには間違いはないけれど、でも私の指導時間はその場にいる全員に分配されてしまうわけですから、そう考えると指導時間が売りになるようにも思えません。

進路情報なんてのはなおのことですよね。
どう考えたって大手の方が抱えているデータ量が多い。
学年に5人の小規模塾と、学年にウン百人を抱えているグループ塾と、どっちがデータを揃えているかなんて、考えてみるまでもないわけで。
その卒業生の数まで入れたら、どう考えたって敵いっこないわけです。

困りましたね、、、コレではうちの塾ならではの売りが何もないことに。。。(苦笑)

小規模塾だからこそできること

では、チェーン展開している大規模塾と小規模個人塾との決定的な違いは何か。
一言で言えば、『信念に対しての真摯さ』ではないかと。

経営規模が大きくなるにつれ、当然維持費も莫大になり、維持するためには生徒数の確保が不可欠になる。
うちでは生徒数が25人もいれば十分すぎるというか、むしろ定員オーバーなわけですが、一般的な規模の塾なら1教室につき50名は集めないといけない。
学校の学級担任だって見てる生徒数はせいぜい30~35人ですからね、50名にきっちり目を配ってひとりひとりに効果的な教材とアドバイスを与えるなんて、なかなか出来るものではありません。
そうするとどうしたって仕事の一部をアルバイトなど自分以外の人に頼らざるを得なくなるわけです。
よって、多かれ少なかれ塾長と生徒との距離は開いていくことになります。
そんな中で「うちの塾はこうですから!」というのを前面に押し出せるかといえば、そこはなかなか難しいと思うんですよね。

その点、私一人で、もしくは目の届く範囲で手伝いをお願いしながら運営している分には、自分の想っているものをそのまま生徒にぶつけることが出来る。
ワンフロアでやっている現状では、誰が何に取り組んでて、進捗がどうで、何をさせなければならないかくらいは把握できてしまいますから。
私から見て生徒の進む方向が違うように見えれば「今すべきなのはそっちじゃないんでないの?」と話ができるし、学習の方法が悪ければ「こうした方がいいんじゃないの?」、認識が甘いようなら「今こういう状況でこうだから、こうしなきゃダメだろ」、学習態度が悪ければ「もう来なくていいよ」とも言える。
それはつまり、私自身が正しいと信じている方向性であったり方法論であったりを生徒に伝えている、ある意味で押し付けているのに違いありません。

これ、授業の範囲内でしか動けない雇われの立場だったらなかなかできません。
それが堂々と出来るのが個人塾の強みで、人の成長期に深くえぐり込むような仕事をしたくて独立したわけですからね。
もしそこまで干渉されるのが嫌であれば、それはうちとは合わないってことで、遠慮無く大手にでも他の信条が合う方のもとにでも行ってもらえばいいんです。

改めて、売り物はなにか

そう考えると、うちの売り物はなにげない「言葉」による「示唆」であったり「誘導」であったり「激励」であったり、そういった、大げさに言えば生き方そのものに関わる部分なのかもしれません。
それらは八反田自身が過去の成功や失敗の経験から学んで信じているものを出していくわけだから、全く同じモノなんてのは絶対に他の人間には用意できるわけがないんですよね。

言い方は悪いけど、ある意味では宗教に近い。
信じてくれる人にとっては大きな支えにもなるし、もしかしたら学習の仕方、生き方を大きく変えるきっかけにもなるかもしれない。
けど、それ以外の人にとってはどうでもよいこだわりと映るでしょう。
だから、私を信じてついて来てくれる生徒に対しては良い師ではありたいと思うけど、その一方で「じゃぁ誰にでも薦められるか」といえば、そうはいかないわけです。

入塾前に必ず「こういうスタイルでやっているので、合う合わないはあると思います」という話をします。
体験の段階で、おそらくうちの指導には乗っかれないだろうと思う方には別の手段を探すことお薦めしてます。
ここ最近、何人かの生徒に「辞めたほうがいいと思います」と言っているのも指導を受け入れられる素地が感じられなくなったからですね。
それは自分の売り物には自信があるけど、やっぱり納得してもらった上で買っていただきたいからです。
このブログやツイッターで他の塾では絶対に言わないような暴言的なのをガンガン流しているのもそう。
だって、実際に教室では同じような話をしているわけだし。
それらを小奇麗に隠して人を呼び込んでも、結局いい仕事は出来ないと思うんですよね。
その代わり、その上でも選んできていただけるなら、そこは期待以上の価値あるものをお渡ししなければなと、そう思っています。

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