2012年2月7日火曜日

「覚えられない!」に対しての回答 その2

昨日は、「とりあえず覚えることを減らそう」という提案でしたが、それにしたってそうそう減るもんでもないですね、実際は。
特に歴史なんかは流れの全体像を掴んでおかないといけないわけですし。
というわけで、今度は覚え方の実践編です。


「覚えられない」という生徒の勉強の様子を見てると、問題集や参考書のまとめや模範解答をじ~っと眺めている姿がとても目につきます。
同じ内容に出くわした時に今調べたことを思い出せるかどうかが大切なんですが、そういった生徒の大半は1週間もすれば調べた事実すら覚えていない。
「わからなかったらまずは自力で調べる」という姿勢までは悪くないんですが、問題はきっとそのあとで、調べっぱなし、そのまま丸呑みでどんどん次へと進んでしまうんですね。
だから「お前、コレ、3日前に似たような話をしただろー?」→「そうでしたっけ?」というようなことが頻繁に起きている。

「覚えられないのは」別に脳の機能的に物覚えが悪いからではなく、<覚えるための方法が悪い>もしくは<覚えるための努力をそもそもしていない>・<覚えるつもりが初めからない>のいずれかだろうと思っています。
そもそも覚えるつもりのない人については置いておいて、問題はその方法です。


学問的には認知心理学だかに当たるんでしょうけども、記憶をするには何らかの意味付けがなければ難しいですよね。
例えば、「”テダコハワカヒサア”を覚えろ」と言われても、まず無理。3分もあれば忘れられます。
こんな感じで意味を成さない文字列はほとんど記憶に残りません。
ですが「”アサヒカワ・ハコダテ”を後ろから読む」と覚えればパスワードにも使えそうでしょう?
覚えるためには意味付けが必要なわけです。

で、歴史の年表。
サイトでは特に案内をしませんでしたが、中3生を対象に冬休みの集中講座で歴史・地理の授業を持ちました。
が、歴史なんてここ20年くらいまともに勉強していなかったので、授業のために、まず自分で頭の中を整理しなければなりません。
そこで、手元の問題集を基に、出来事の因果関係を3・4冊の資料集・参考書・年表とネット検索を利用して整理し、ガンガン書き込んで行きました。

メモ書きなのでこの上なく雑ですが、でもこうして問題の数倍の情報量を整理することで、それぞれの事柄に関連性をもたせたわけです。
その次に、このメモを基にして自分で年表を作りなおして講座の教材にしました。
明治以降の近現代史を高校受験レベルまで整理するのに、作業としては2晩くらい(10時間程度?)かかっていますが、でも、そのおかげで自分の頭にはきちんと時系列と因果関係が整理された状態で入り、問題を解くにも困らない状態。
そしてここまで徹底してまとめ直しを行えば、後から軽く見なおしただけでもそれなりに記憶を蘇らせることができます。

”マンシュウジヘン”という言葉は、それ単体では1つの事象を表す文字列でしかありませんが、そこに「中国東北部の資源を狙っていた軍の満州侵攻の口実に」「軍部の独断を許した」「それに反対した首相は暗殺された」「国際的に孤立するきっかけに」などの意味付けが加わると、前後の事件に関連性ができます。
そして、その関連性がうまく構築されると、いちいち年号をひとつひとつなんて覚えなくても、
「満州事変」
→「連盟の脱退」=日本の孤立化
→「五・一五事件」「二・二六事件」=軍部独走=軍国主義体制へ
→「日中戦争の開始」
くらいの順番は答えられるようになるわけです。

そんなわけで、「覚えるべきことは少なくする」のと同時に「覚えるべきことは徹底して他と繋げる」ことが重要かと。
そしてそれを借りものではなく、自分のものにできるように最整理すること。
授業では歴史上の出来事の因果関係について解説を加えていったわけですが、生徒自身がこの流れを「覚える」ためには、多少なりともこういう作業を自分自身の手ですることが必要になることでしょう。
その手間を惜しまずに時間をかけられるかどうかが、結局は一番大切かと思います。

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生徒に「先生はスゴイ、頭がいい」と言われる度に、生徒にはこういったメモ書きなどを見せています。
彼らからは「問題を解けるスゴイ人」と思われていても、別に頭の出来が違うわけではなく、実際にはこんな泥臭い作業を生徒以上に時間をかけてしているってだけなんですよね。
ただ、こうした学習の仕方、時間のかけかたを見せてあげるというのも自分の役割の一つなのだろうと思っています。

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