2013年4月30日火曜日

「今でしょ!」 の「今」は一体いつなのか~入塾のタイミングを考える 3

シグマゼミでは、毎月、月末に通信を発行しているのですが、先月今月と2ヶ月連続で触れたのが、中学校での"内申点"について。
私がこの制度自体にどうかなと思っていることは、まぁこのブログやらTwitterやらを覗いてくれた方なら承知のこととは思いますが、北海道の入試の半分以上を占めているとも言えるものですから、塾屋としては好き嫌いに関わらず取り上げざるをえません。


ここ2回で書いた通り、「塾に行くのは3年生になってからで十分」という人も少なくないわけですが、それでも、入試制度をきちんと知っているのと、知らずに2年間を過ごして後々になってから「え゛っ、そうだったの!?」というのではかなり違うと思いますので、今回は簡単に入試制度のおさらいをしようかと思います。
といっても、通信の焼き直しですが。




高校入試において、合否判定の中心になるのは「中学3年間の評定から計算した"内申点"入試の点数から計算した"学力点"」です。
"内申点"は、各学年の学年末5段階評定から計算され、計算式は[ (1年末評定の合計×2)(2年末×2)(3年末×3]となっています。
これを20点ごとの段階ごとに切ったものが"内申ランク"と呼ばれるものです。


道内の公立高校では、基本的に『内申点5割・学力点5割』で合否の判定が行われますが、私立高校では内申点の比重が高い場合も多く、単願・専願などでは内申ランクだけでほぼ合否が決まり、高い内申ランクで受験した場合は特待生制度がある学校も少なくありません。
私立受験への影響も考えれば、内申の重要性は非常に高いといえるでしょう。
実際のところ、そこらの学校を受験するのであれば、「実力がうんぬん得点力がどうの」以前に、内申の高さで逃げ切れることも決して少なくないのです。

内申点は、計算上は3学年の成績の比重が多少高めに設定されていますが、見方を変えれば内申点315点満点のうちの180点分は1・2年生の学習態度に依って決められてしまうということになります。
敢えてきつい書き方をすれば、「公立入試の1/4以上が既に中3春の段階で終わってしまっている」ということですね。


みなさん、「受験は中3の2月から」って思ってるでしょう?
違います。
中3の1月に願書を出した時点で、既に半分が終わっているんです。
しかも、それは学校どころか、教科担当者のさじ加減ひとつで決定される、えらく不透明な"評定"っていうものによって決められているんですね。


さて、現2年生のみなさん、「1学年が終了した今の時点で、既に入試の600点満点のうちの90点分は決定しました」と言われて、その実感はあるでしょうか?

「この1年が終わると600点中180点はもうひっくり返せないんだよ」という事実を理解して学校の授業へ望んでいるでしょうか?


5段階評定は、中学校で学ぶ9教科それぞれについて、定期試験の結果と普段の授業への参加態度(確認テスト・課題の提出状況・発表の様子など)から各教科担当により決められます 
現在の中学校では「どれだけ着実に学習を積み重ねてきたか」ということを絶対評価で評価していますから、極端な話、生徒全員が十分な努力をしていれば全員が「評定5」を取ることもありえます。
実際、Twitterの方には書きましたが、現中3生の道コン受験者の分布を見ると、道内の半数はDランクより上の内申点を持っていることがわかります。
下のグラフを見ていただくとわかるかと思いますが、道コンではSS50くらいの層の生徒でも、なんとDランク。
どう考えても評定が異常な甘さで付いているとしか思えませんが、でも事実、統計のデータはこうなっているんですよね。
周りのランクがインフレを起こしている以上、それに合わせた成績を自分も取らなければ置いて行かれるというだけのことです。

全道の中3生の内申ランクは、半数がDランク以上だそうで。

中学校では内申を元にして受験先を指導する場合が大半で、中3秋の内申の状況からランクに応じた受験先を選ぶというのが3年次の進路指導の流れです。
「内申点が低いから○○高校の受験は無理」ということはないのですが、もし、受験生の大半がCランクである学校をEランクの生徒が受験するとなると、入試前の時点で600点中40点の差がついてしまっている状態で受験を迎えることになります。
入試は1科目60点満点ですから、そこで40点を余分に取るというのは、なかなかできることではありません。
だから、受験先の選択肢を狭めないためには、内申点つまり3年間の評定はなんとしても維持する必要があるわけです。

評定を決める大きな要素は定期試験と、そして提出物などの授業への参加姿勢です。
一つ一つの授業を丁寧に受け、身に付けるべきことを着実に身につけていくことが、高校受験ではなによりも大切だということになりますが、さてどの程度意識してできているでしょう?

定期試験は学年で何回ありましたか?3回?4回?
その限られた数回の試験の結果が、だるいなぁと思いながら適当にごまかしていた提出課題が、実は入試の合否の5割分に反映されると考えたことはありましたか?


というわけで、
現1年生の方は、まだ勉強が難しくなることもないでしょうから、夏休み明けくらいまでは学校に慣れることを優先するのがいいかと思います。
塾に時間を費やすよりも家庭学習をしっかりできるようにすることの方がおそらく重要でしょう。


でも、2年生は、最初からヘビーな内容が登場しますから、現時点で苦手があるのであれば、早いうちに手を打たなければあっという間に置いていかれます。
「どうせ中1とさほど変わんないでしょ」と思っていると、数学・理科ではかなり苦しむことになります。
数学が苦手になるのは大体が中2の夏辺りから(文字式による証明・連立方程式の文章題・1次関数・図形の論証)ですからね。

3年生は、、、先述の通り、既に600点中の180点分が確定しちゃってますからね。。。
内申を大幅に上げることはどうしたって不可能ですから、今からできることは、内申を維持すること、そして、周りを上回るだけの揺るぎない実力を身につけることではないでしょうか。

これらのことを正確に理解した上で、もししなければならないことが残っているのであれば、できるだけ早くから始めた方がいいのでは、と思います。

道の入試制度について、もっと詳しく知りたい方は下のリンクからどうぞ。
→参考:http://www.do-con.com/nyushi/ 道コン事務局



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あまり不安を煽るような記事は好きではありませんが、事実を認識せずにいて、知らぬ間に手遅れになるのはもっと避けたいですからね。。。


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2013年4月25日木曜日

「今でしょ!」 の「今」は一体いつなのか~入塾のタイミングを考える 2

前回の内容は、
・そんなに慌てて塾なんて行かなくても、北海道のそこそこレベルの高校なら中学校で扱う基本さえちゃんとしてれば、しっかり家庭学習してればまぁほとんどは入れるでしょう
という身も蓋もない話でした。
なんとまぁ商売っけのない。。。
本当は
・ただし、"よりよい進路"を狙うのであれば、それなりの準備をしていなければ追いつかなくなりますよ
ってところが重要なんですが、じゃぁその"よりよい進路"っていうのをちょっと考えてみましょうか。


まず、実際に中堅レベルの高校で学級担任や進路指導をしていたこともある自分の実感としては、
"将来の自分の進路"なんてものを見通してものを考えられる生徒さんなんて、そうそう居るもんではないというのが正直なところです。
ほとんどの中高生は、勉強の目的なんてよくわからないけれど「行け」と言われるままに学校へ行き、「やれ」と言われるからとりあえず与えられた勉強をし、理想論的にはいずれどっかの時点で自分の意志に目覚めるはず、、、なのですが、実際にいろいろな大学生の話を聞く限り、大学生になってもまだ「自分は何に向いているんだろう」「この先どうしたら良いか」と迷っているのが現実です。

自分が中高生だった頃を思い出してみたってそうでしょう?
高校1年の時に思い描いていた将来像と、このブログを読んでいるあなたと、どれだけの部分で一致していますか?
そもそも、中学の時から"なりたい自分像"が明確にあってその上で高校受験の選択をした人、高1の段階で自分の特性をきちんと考えてその上で文理選択をした人、明確な志望があって「この教授のもとでこれの研究したい」と大学を受験した人、いったいどれだけ居るんでしょう?

ほとんどの人は「自分の学力で行ける範囲の高校」をなんとなしに選び、「数学が苦手だから文系で/世界史よりは数学の方がマシだから理系で」という感じで文理選択をし、「特に行きたい大学があるわけでもないし、推薦枠があるらしいからここでもいいかなぁ」なんて感じじゃないでしょうか。


それくらい、一言で「将来についてよく考えて」なんて言われても、中高生には実感なんて無いんですよ。


じゃぁ子供・生徒に対してどうすべきかって言えば「今は具体的なものがなくても、もしも何かに目覚めた時に後悔しないよう、やれることは今から準備しとけ」っていうのが、ちょっとだけ長く生きている我々人生の先輩からのせめてもの助言かと思うんですよね。

今は何も考えていなくても、ある時に誰かに出会った影響が大きくて突如弁護士になりたいと思うかもしれない。
もしくは医師や看護師になって身内の病気を治したいと思うかもしれない。
その時に「いや、アンタの学力じゃ、この進路はぜってー無理!」って言われるほど寂しいこともないと思うんですよ。


例えば、「ここの高校からでも専門学校には行けるでしょ」くらいのつもりで高校を選んだ生徒が、後々「理学療法士(体育会系の部活動をしていたら、きっと何度かはお世話になりますよね?)になろう!」と思い立って、医療系の専門学校を目指すとしましょうか。
理学療法士の資格自体は、大学の医療系学部の他、専門学校でも取得は出来ますが、そこには物理が絡んできます。
後々になってから「あれ?うちの高校には物理なんて授業はなかったような・・・専門学校で1から自分で勉強するの!?」なんてことすら起きます。


専門学校という進路選択についてはここの記事が分かりやすいかも
注意べきは、中退率の高さと就職率の数字のカラクリだと思います
もうちょっと過激なデータを欲している方はコチラはいかがでしょう




そもそも中学生くらいでは、「高校は学校によって学ぶ科目をはじめ、教科書も授業のレベルも全く違う」ってこと自体がわかっていない場合の方が多いですからね。
高校生にしても、「私、心理学やりたいんだー」と言いつつ「文系だからー」と数学を捨てようとしますから、、、心理学は統計が必須ですから、絶対に数式を扱う機会があるにも関わらず。


そんなわけで、安易な選択はのちのち非常に不利な状況になるわけですが、それを承知で中3生が「近いところならどこでいい」とか「○○さんと一緒がいい」とか「今の力でも受かりそうだからここでいいや」と言っているのか、、、といえば、きっとそこまでも考えていないでしょう?

だったら、遊びたい気持ちを多少抑えてでも、比較的のんびりと勉強できる中学生のうちからしっかり学んで、17・18歳辺りの進路選択で選択肢の幅の少なさにがっかりしなくてもいいようにしておいた方がいいですよね。


そんなわけで、中学生に対してのうちの塾の存在意義は、「高校に入るため」じゃぁないです。
「更にその先につながる可能性を伸ばすため」だと思っています。
だから、たとえ学校レベルではトップクラスでできていたとしても、そこで「はい終わり」とはしないで更に上の指導に繋げていくように心がけています。

「今すぐ」じゃなくてもそれなりの成績は取れると思います。
でも、「今から」の方が、絶対により良い内容を提供できるのにな、とも思うのです。



学習環境としての塾の質は、その可能性をどこまで引き出せるか、しっかり学ぶのレベルをどこに置くかで決まるものだと思います。
今よりもちょっと上のレベルを覗いてみたい方は、ぜひ792-0490もしくはsigmaseminar@gmail.com までご相談ください。

「今でしょ!」 の「今」は一体いつなのか~入塾のタイミングを考える

春休み期間中だけ勉強しに来ていた生徒さんが何名かおりました。
その短期限定の生徒さんに対して道コンの成績資料を取りに来ていただいた際にお話したことでも書いてみようかと。


昨日今日と、中2の生徒さん2人に成績資料をお渡ししたんですが、2人とも「抜群に良いというわけではないが、かと言って極端にできていないわけでもない」という感じでした。

こういった講習や模擬試験の後は、おそらく、営業熱心な塾であれば、、、
ものすごく良かったのであれば「こんなにできるならもっと上を目指しましょう!」と最上位を目指させるべく熱く勧誘する(『○○高合格!!』は宣伝になりますしねー)んでしょうし、
逆に悪いところが見つかれば「ほら、今から頑張ってやらないとっ!」と不安感を煽ってなんとか入塾して貰う形に持って行くんでしょう。

が、うちの場合、やっぱり下手なんでしょうねぇ、ある程度の成績を取れているのであれば、どうしても「中2でこの成績なら、今のところはこのままでも大丈夫だと思いますよ」となってしまいます。
我ながら、全くもって熱が感じられない。。。(苦笑)

いや、実際のところ、「この成績でこの学校なら、塾行かなくても受かるよなぁ。。。」って思って見ているわけですし、そういうとこで嘘は言わないですね。
ただ、必ずお伝えするのは「今考えているよりももっと上の進路を目指そうと思ったら、その時はやり方自体を変えるくらいじゃないと間に合わなくなる事がある」ということです。


はっきり言ってしまえば、今の北海道の入試なんて、ごくごく一部のトップ校~札幌で言えば東西南北とあといくつか?~を除けば、中3夏から慌てて塾に入ったって、きちんとしたある程度の下地があって受験に向けての準備さえすればなんとか合格はするんですよ。
実際、この2年間のうちの卒業生は、全員中3夏以降から来始めて「アブナイ」だの「不安だ」だの言いながらもなんだかんだで全員志望校に合格していますしね。
問題は、その時点の成績と行きたい学校を照らしあわせて実力がかけ離れているって場合に、試験までに準備が間に合うかどうかなんですよ。

塾のサイトのトップページにもこれみよがしに載せたんですが、今年札幌開成(普通科)に合格した生徒さんは、うちには中3の11月から通い始めました。
それまでにも別の個別指導塾に通っていましたが、当時の内申はEランク、道コンのSSは過去1年ちょっとの期間60~63だったかな?
前の年のボーダーが、道コンの追跡調査では「CランクSS60で不合格」になってますから、おそらく中学校では「その内申で開成はキツイんじゃない?」と言われるラインだと思います。
それでも最終的にはSSは65以上をマークし、無事に合格しました。

その彼に3ヶ月の間に何度も言ったのは「内申が他の受験者よりも下回ってる今の状態で受験するということは、100m走で20m手前からスタートしてるようなものだ」ということです。
その20m差をぶっちぎれるほどの得点力が身につけば合格できるだろうし、身につかなかったら「頑張ったけど間に合わなかったね」ということ。

彼は3ヶ月でそれなりに得点力を付けることが出来たから、結果としては無事に希望の学校で学べるようになったわけですが、でもそれは「誰もが簡単にできること」ではないですよね?
それなりの下地があって、そこに的確な刺激や補足が与えられて、それこそ根性試し的な苦行をきちんと乗り越えるだけの意地と努力があってこその結果なんです。


やり始める「今」が後にずれ込めばずれ込むほど、当然ですが締め切りに対する準備期間は少なくなります。
中1の最初からであれば3年かけて繰り返し説明し練習して徐々に慣れていけるものが、中3秋からとなると3年分を4ヶ月で仕上げなくてはならなくなる。


ちょっと怖い計算をしてみましょうか?
中学校で学ぶ5教科の3年間分の授業時数は全部で1925コマ分あります。
(指導要領による標準単位数:国/数/理 各385時間 社350時間  英420時間)
3年間かけて学ぶ場合、、、1000日と考えれば1日2コマ分を復習していけば間に合う計算ですね。
なんとななりそうでしょ?
じゃぁこれを4ヶ月、大雑把に100日としましょうか、、、1日20コマ分(!)を身に付けろという話です。

だから言われるわけですね、「いつやるの・・・今でしょ!」って。



そんなわけで、ちょっとでも「もう少し上を目指したい」と思うのであれば、もしくは、この先に多少なりとも欲が出てくる可能性を考えるのであれば、気持ち的にも時間的にも絶対に余裕ができるので、動くなら早いほうがいいと思います。
私は決して「このままではアブナイから、早く塾へ入って勉強しなさい!」とは言いません。
ただ、伸びる要素がまだまだある人がいつか欲が出た時に「今からじゃ間に合わないよ」となるのは非常にもったいないと思うし、出来る限りその後悔をして欲しくはないと思いつつ面談をしています。




あまり宣伝熱心ではありませんが、ただいま新入生を募集中です。

中1生はまだ『今』ではないと思います。
でも、中2生以上は『今』からの方が半年後に楽ができるかと、、、
関心を持たれた方はぜひお早めに792-0490もしくはsigmaseminar@gmail.com までご相談ください。

2013年4月12日金曜日

学習塾としてできること/できないこと

営業的に、書いてもいい話なのやら・・・

新年度。
しばらくぶりの更新になりますが、久々の記事は塾を運営している中での悩みについてです。

この記事、本当は2ヶ月くらい前に書き始めていて、出そうかどうかずっと迷っていたまま眠らせていました。
本来は集客に繋げたいブログのはずなので、希望にあふれたイイコトばかりを書いていけばいいんですが、どうもその辺りが商売的には上手くないんですよね。。。(苦笑)
まぁそれでも思うところがあって書き始めたものですから、書きかけのまま「下書き」の印をつけっぱなしにしておくのも気持ちが悪いので、せっかくなので書き終えたいなと。

シグマゼミを開設して2年が経過し、なんとか3年目に入りました。
この2年間で入会してくれた生徒の人数は30名程度。
通ってくれている、または通ってくれていた生徒さんは中学1年から高校3年・浪人生まで様々ですが、その中で年度途中で退会した生徒が今のところ3名、、、かな?
開設直後の最初の数ヶ月で2名、昨年度が1名ですから、継続率としてはそんなに悪くはないのかもしれません。
ですが、出来る限り全員に満足して貰うだけのサービスを提供したいとは思うものの、実際のところはどうなのかなと。

この3月からも新しく通い始めてくれた生徒さんが居ますが、生徒さんとの新しい出会いが得られたときや、あるいは肌に合わず退会していくときというのは、塾のあり方について考えなおすきっかけになります。
そんなわけで、シグマゼミのあり方、運営の方向性について改めてちょっと考えていました。

"売れる宣伝文句"と実際とのギャップ


学力・成績の向上が至上命題の塾業ですから『必ず全員伸ばします!誰が来てもしっかり見ます!』と大見得をきって言えばお客さんが集まるのかもしれませんが、はっきり言ってしまえば、そんなのは現実的に不可能です。
というより、むしろ、うちの場合は一般的な学習塾よりもかなり狭い層の生徒さんにしか支持されないんじゃないかとすら思っています。

まず、「必ず全員」というのはごく単純な計算であったり一問一答の暗記を徹底して行なって数をこなすことまでであって、そこから先は本人の取り組み方次第だと思っています。
できる限りわかりやすくを心掛けてはいても、扱っているのはそこそこ細かく深くまで突っ込んだ内容。
そんな誰もがホイホイと簡単にこなせるような内容だけじゃぁないですからね。。。(苦笑)
土曜や長期休み中の講座なんかは、基礎中の基礎から説明はしますが、内容的には中学も高校もSS65に到達できるレベルで構成してますし。
そのレベルの内容をきちんと使える状態にまで持って行くには、「説明しました」「聞きました」だけでは絶対にうまくは行かないのです。

そして、どんな生徒さんに対しても全員をしっかり見たいと思っていても、やはり全てを一人で回している以上は限界があります。
最低限知っておいてほしいこと(と控えめに表現してますが、前述のとおりきちんと身につけたらSSは60を余裕で超えます)をきちんと伝えていってはいますが、やはりそれでも同じ生徒に同じ事を何度も繰り返して説明するだけの時間はありません。
そうなると、「教えるべきことは教えたのだから、なんとか自分で頭に叩き込め」という風にならざるをえません。
時間的にも、塾で習っている時間より学校で学ぶ時間、家に居る時間の方が多いわけですから、そこでどれだけ意識的に学び取るかの方が重要です。
つまり、どうしても本人の努力に依る部分が少なくないわけです。

「自分で学びとる」ということの難しさ

ところが、この「生徒本人の取り組みをしっかりしてもらう」というのは、実はものすごくハードルが高い。
授業の受け方やその整理の仕方といった学習習慣というのは、言ってみれば生活スタイル自体に関わるものですから、「ああしろ、こうしろ」と口で言ったところでそんな簡単にできるもんではありません。
だってほら、ブログやtwitterにしたって、「集客のために1ヶ月1日欠かさず更新しろ」と私が言われても、そんな簡単なことじゃぁないですものね。。。

だからむしろ、私が常々生徒に言っているアレコレが最初からきちんと出来ているのであれば、おそらく塾になんて行く必要もなく、ある程度のことは独学で何とでもしてしまえるレベルだとも言えます。
ただ、独学でもたどり着ける部分には限界もあります。
理解のためのアドバイスが少しでも有るのと全く無いのとでは、その先の見え方が違ってきますから。
そう考えると、うちの塾でしていることは、「独学である程度はいける子に対して、そこから先に進むための壁を壊す手伝い」と言えるかもしれません。

シグマゼミでは何を得られるの?

その<独学の質を上げさせること>が主題となるうちの指導は、おそらく大半の一斉授業の塾よりも個別指導の塾よりも、学習への取り組みに対しての目がシビアになります。

「何がどこまで出来ていて、どこがわかっていないか」
「前回教えた中身がどれだけ理解できているか、どれだけ出来る状態で残っているか」
「問題はいちおう解けているけど、その解き方じゃ通用しなくなるよ?」 というところまで事細かにチェックされる。
これ、生徒さんにとっては結構酷な話です。
学校や普通の塾では「なんとなくできている」で済まされるところまで掘り返して突っ込まれるわけですから。
その分、きちんとクリアしたら確実に力になるものを提供してはいますが、それでも要求される努力のレベルはかなり高めだと思います。
SSで言ったら65を超えるような上位層の生徒に対しても「コレ、確か数日前にも説明したよね?なんで同じ事を何度も聞いてんの?」くらいの突っ込み方をしますからね。

つまり、うちの塾では「科目の問題ができるかどうか」以前に「きちんと丁寧に勉強できているかどうか」がかなり厳しく見られるわけです。
「もっと出来るようになりたい・知りたい」という貪欲さ、「一度言った重要事項は絶対に聞き逃さない・忘れない」くらいの集中力、それに一度聞いたことを元にじっくりと考える力が求められます。

そういった感じで、おそらくパッと見の印象よりは厳し目に指導しているので、どうしても生徒さんとの間に向き/不向き・合う/合わないが出てしまいます。

どんな生徒さんが向いているか/向いていないか

あまり授業に関心を持たずに、やり方だけ聞く感じで軽く流すことに慣れきっている生徒さんは、アレコレ突っ込まれることでおそらくかなりの苦労をするはずです。
学校では「できている方」だとしても、それはあくまでも小さな集団の中での位置であって、きちんとした理解度とは別物ですから、たとえ成績が良くても、実はわかっていない部分があるのなら、そこは一からやり直させるような感じです。
そういった"知識の洗いなおし"を苦痛だと感じる生徒さんであれば、うちの指導はプライドに障るかもしれません。
逆に、徹底的に洗い直しをして、丁寧に弱点を克服していきたいと考えている方には、それなりの内容を提供できているように思います。
じゃなきゃぁSS65を超すような生徒さんが飽きずに来てくれるわけがありません。

また、一方で、最初から最後まで横に張り付かなければ学習を進められないような低学力の生徒さんや、自分のすべきこと・指示したことの意図を汲んで出来ない生徒さんは、おそらくここでの時間を有効には使えないでしょう。
あれこれと知りたがってくれる生徒さんならいいのですが、与えた課題をこなした後でも私を呼びもせず先のことをするわけでもなく黙ってずーっと待ってしまうような生徒さんの場合、横に張り付きで指示してもらえる環境でなくては勉強にならないと思うんですよね。

実際、指導を数回体験をしていただいた後に「完全な張り付き型の個別指導塾や家庭教師など、他の手段を考えた方がいいと思います」と失礼ながらお伝えしたことが何度かあります。
理由は簡単で、たとえ月謝を頂いて通ってもらったとしても、それに見合うだけのものをお返しすることが出来ない、そして生徒さん自身の通ってきて費やす時間を考えても、それに対しての得るものが少ないだろうからです。
たとえ現段階では低学力であっても、学習の仕方次第で取り返すことは可能だと思います。
ただ、その仕方がうちの塾のやり方と合致していないのであれば、かえって不幸な時間を過ごさせてしまいますからね。

定期試験に向けて/受験に向けて時間がないと言っている相手に対し、効果的ではない時間の使い方を勧めることは、たとえ経営的に難しかったとしても私は絶対にしたくありませんから、そこは多少失礼になったとしても他の環境をあたってみることをおすすめしています。

まずは興味本位程度でオシャベリでもしに来ていただければ

そんな感じで、ちょっと癖の強いシグマゼミですが、だからこそ、たとえ生徒の人数自体は少なかったとしても、来てくれている生徒さんには他では得られないような良質なサービスを提供出来ればなと思っています。

3年目、今年度はどんな生徒さんと出会うことができるでしょうか。
ちょっと本気で勉強に取り組んでみたい生徒さん、勉強はしているのにどうにも伸び悩んでいて現状よりも一歩先に進んでみたいと望む生徒さん、まだ座席がありますので覗きに来ていただければと思います。

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